テーマ:宗教

鹿の苑

連載長編小説『鹿の苑』 第一章 捨て子の章 第八回         3   天地(あめつち)の 神にぞ祈る 朝なぎの   海のごとくに 波たたぬ世を  MP3プレーヤーの小さなスピーカーから、ゆったりとした雅楽の音色が流れている。  巫女神楽『浦安の舞』である。  あきら加は、白い単衣に緋袴という衣装で、金色に輝…
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鹿の苑

連載長編小説『鹿の苑』 第一章 捨て子の章 第六回  その午後、笹田純一は、地下鉄御堂筋線の電車に揺られていた。  車両はひどく混んでいて、仕方なく弱冷車に乗ったため、ひどくむしむししていたのである。  彼は、ミナミのアメリカ村に行こうとしていた。  アメリカ村は、渋谷や原宿のように若者の街で、ブティック、カフェ、クラブ…
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鹿の苑

連載長編小説『鹿の苑』 第一章 捨て子の章 第五回 「きみ、御子なんだって?」  旅人が訊く。 「みこ?」  あきら加が怪訝な顔になる。 「きみ、神の子なんだって?」 「えっ?」 「予知能力があるんだって?」 「………」 「僕の未来も占ってよ」 「……占いじゃないから」  二人は、奈良・飛火野の丘陵を歩いて…
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鹿の苑

連載長編小説『鹿の苑』 第一章 捨て子の章 第四回       2  荘厳なパイプ・オルガンの音色が響いている。  ステンド・グラスから漏れる朝日が、七色に光っていた。  あきら加は、磔にされたキリスト像を見ている。  大阪生野にあるカトリックの高校のチャペルだった。  この春から、彼女は、その学校に入学したのである…
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