THE 読物 ~東 月彦の小説~ 連載27 奈良三彩 キセキレイ ゆずり葉の携帯の呼び出し音が鳴っている。 液晶を見ると、登録している派遣会社からのものだった。 「もしもし、秦です」 「××スタッフの鈴木です。お世話になっております」 知り合いの営業の女の子からだった。 「こちらこそ、お世話になっております」 「ゆずり葉さん… トラックバック:0 コメント:0 2005年12月12日 続きを読むread more
THE 読物 ~東 月彦の小説~ 連載22 奈良三彩 ※ 宗悦の女のように長い指が今、ゆずり葉の双の乳房を弄ぶようにつまんでいる。 彼が宿泊する吉野の旅館の一室だった。 ――・・・・なぜ、こんなことになったのだろう? ゆずり葉はだんだん考えることが億劫になってきている。 宗悦がまた、唇を求めてくる。 ゆずり葉は受けと… トラックバック:0 コメント:0 2005年11月28日 続きを読むread more
THE 読物 ~東 月彦の小説~ 連載19 奈良三彩 ある日、ゆずり葉のブログに、こんなコメントが投稿されてきた。 投稿者:求塚 2005年4月26日 午前10時47分 コメント: 先日はありがとうございました。 一昨日あなたの歌集を取り寄せ、拝読致しました。 良かったです、感動しました。 申し訳ないのですが、私は文学者ではないので… トラックバック:0 コメント:0 2005年11月19日 続きを読むread more
THE 読物 ~東 月彦の小説~ 連載18 奈良三彩 炎舞 その朝、宗悦は品川・大崎にある日吉能舞台で、ひとり練習に励んでいた。 関西での『求塚』が好評だったので、次の公演でも、ぜひにとの主催者からの要請で、再演することが決まったのである。 いくら好評を博したとはいえ、彼自身納得できない箇所があったので、反省もこめて、いま一度、舞い… トラックバック:0 コメント:0 2005年11月15日 続きを読むread more
THE 読物 ~東 月彦の小説~ 連載16 奈良三彩 ※ 半月ぶりに帰京した宗悦は、江戸前の鰻の蒲焼きが食べたくなって、京橋の行きつけの店を訪ねる。 どのみち自宅に帰っても、年老いた父親と数名の内弟子しかいなかったので、まっすぐ帰る気にはなれなかったのだ。 宗悦の実母の美代子は、孫の宗誉が生まれるとすぐに、急性心不全によって急… トラックバック:0 コメント:0 2005年11月09日 続きを読むread more
THE 読物 ~東 月彦の小説~ 連載13 奈良三彩 ☆☆☆祝 堂々の第1位☆☆☆ 『奈良三彩』が、ブログランキング にほんブログ村さんの小説ポエム部門で、堂々の第1位に輝きました。 うれしいっス!!(lll´▽`lll) 今後の創作の糧とさせて頂きます。 本当にありがとうございます。<(_ _)> ※ 聚はいま、インターネ… トラックバック:0 コメント:0 2005年10月29日 続きを読むread more
THE 読物 ~東 月彦の小説~ 連載12 奈良三彩 ☆祝 第2位☆ 自著『奈良三彩』が、ブログランキング にほんブログ村さんの小説ポエム部門で、第2位に推挙されました。(lll´▽`lll) ありがとうございます。 ※ モーターの電源を入れると、ゆっくり轆轤(ろくろ)が回り始めた。 時おり、きこきこと奇妙な音が鳴る。 ミシン油を差… トラックバック:0 コメント:1 2005年10月26日 続きを読むread more
THE 読物 ~東 月彦の小説~ 連載10 奈良三彩 ※これまでのあらすじ※ 歌人のゆずり葉は、陶芸家の聚(あつむ)と、万葉集に登場する処女塚(おとめづか)を訪れる。 それは、古代に生きた菟原処女(うないおとめ)の古墳で、処女は二人の男に求婚されて、どちらとも決められず、自害してしまったのだった。 ゆずり葉は彼女の死が、どうしても理解できなかった。 その墓で二… トラックバック:0 コメント:0 2005年10月18日 続きを読むread more
THE 読物 ~東 月彦の小説~ 連載2 奈良三彩 「・・・・わからないのよ」 独り言のように、ゆずり葉が言う。 「何が?」 聚が訊く。 「万葉集には、菟原処女の他に、妻問い(つまどい)で自害した女の子が三人も登場するの。畝傍山(うねびやま)のさくら子、耳成山(みみなしやま)のかずら子、真間の手児奈(てこな)・・・・」 「・・・妻問いって?」… トラックバック:0 コメント:0 2005年09月22日 続きを読むread more